杉本純のブログ

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発達障害雑感

発達障害もグラデーション?

銀河『発達障害フリーランス』(翔泳社、2022年)を読みました。発達障害を抱え、会社勤めが難しい人にフリーランスになる生き方をすすめる本です。

ADHDとかASDなどのフレーズは、最近よく耳にするようになりました。また、そういう人たちは自分と関わりのない、隔てられた場所で生きているという認識を恥ずかしながら持っていましたが、実はけっこう身近なところに多くいることも、最近のメディアを通して分かってきました。

実際、私の身近なところにもそうした傾向が認められる人が複数いて、私としては人間の見方、ひいては小説の読み方にも変わってきているように感じます。

また、他人の言動を細かく見て、厳密に考えると、いったいぜんたい、発達障害やそういう側面を持ち合わせていない人などこの世にいるのだろうか、という疑問すら出てきます。以前、LGBTQ+について話し合う場に同席したことがあり、そこにいた人から「性はグラデーションである」という発言があって、なるほどと思ったものです。

ADHDASDの傾向もグラデーションなのではないか、と今では考えています。ちなみに、私自身の言動を振り返っても発達障害の症状と思えるものが少なくありません。

最近はHSPに関する本をよく読み、認識も少しずつ深まっています。HSPは病気でなく気質ですが、発達障害もまた病気ではなく、治すべきものでもないらしい。振り返ると、私は以前、自分の発達障害的な言動を恥じ、頑張って矯正しようとしていました。しかしそういう言動は決して直せるものではなく、ずっと失敗し続け、苦しみ続けていたように思います。自分の言動の特徴を受け入れ、認めてやるのも大事じゃないかと最近は考えています。