杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

欠乏が次の欠乏を生む

センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール『いつも「時間がない」あなたに』(大田直子訳、早川文庫、2017年)を読んでいます。サブタイトルは「欠乏の行動経済学」で、お金や時間が足りないと感じると認知能力が落ち、(恐らくは失敗や低評価を招いて)さらに欠乏する、とのこと。まだ全部読んでいませんが、要旨を見て、これではまるっきり「貧すれば鈍する」じゃないかと思いました。

このブログで過去に何度か「余裕が次の余裕を生む」ことを書きましたが、逆もまた真なり。「欠乏が次の欠乏を生む」ということですね。「貧すれば鈍する」は、お金や時間の欠乏が精神の欠乏にまで発展することを示しています。

これもこのブログで何度か書きましたが、私は近年、公私ともにシンドい時期が続いて心身の健康を崩してしまい、なんとか自力で改善しようと、健康本や自己啓発書をけっこう読みました。

読んで学んだことを総合し、現時点で言い得るのは、まさに「余裕が次の余裕を生む・欠乏が次の欠乏を生む」ということかと思います。時間やお金の欠乏は精神の欠乏を招き、人生を破壊していく。少々、無理をしてでも余裕をつくり、それを増殖させることで欠乏は遠のいていくのではないかと。

そして、それは自力でやらなくてはならないと思っています。