杉本純のブログ

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水の恵み

「夏の夕方 感じる水の恵み」

朝日新聞7月13日朝刊28面に、佐伯一麦のエッセイ「想 ケヤキのハンモック」が掲載されています。

「夏の夕方 感じる水の恵み」という見出しがつけられた今回は、自宅から列車が見える東北新幹線が3月16日の福島県地震で運休したことから、その地震によって自宅の排水管に亀裂が入っていたのを知ったこと、復旧後に庭に水やりをすることまでが書かれています。無造作に書き流しているように見えますが、見出しの通り、水の恵みのありがたさと美しさのようなものが読み取れ、またそれはカレル・チャペックの文章の引用からも感じられます。

チャペックの引用は、前回の「耕せど 風は冷たい春」の時にも行われています。前回を読むと、引用が『園芸家12カ月』からであることが分かりますが、今回も恐らく同作からの引用だと思われます。

前回に続き、田中千智のイラストが掲載されていますが、描かれている人物の気分がよく表現されているように感じられていいです。