杉本純のブログ

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大堂の銅鐘

以前このブログに「板橋区の最古刹」というタイトルで、赤塚の大堂について書いた。

その境内にある銅鐘には中巌円月が撰文した銘文が載っていて、古来より風流文人の垂涎の的だった、と私は記した。記事内にその銅鐘の写真も掲載したのだが、どうやら現在の大堂にある銅鐘は、その有名な銅鐘とは違うものだということを最近知った。

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こちらが本物の大堂銅鐘

本物の銅鐘は1949年(昭和24年)に国の重要美術品に指定され、保存上の必要から現在は区立郷土資料館に展示されている、と『いたばしの文化財』(板橋区教育委員会、1987年)に記されている。現在の赤塚大堂にある銅鐘は、指定されたくらいの時期に複製され、設置されたということか。

本物の銅鐘は1984年(昭和59年)に板橋区登録有形文化財(歴史資料・工芸品)にも登録されている。

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銘文は中巌円月の作、字は三位親慶が執筆。鋳工は平次五郎行次