杉本純のブログ

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サイコパス

TBSのドラマ「ドラゴン桜」が面白かったので、10年以上前の旧シリーズも見ている。先だって最終回を迎えた新シリーズに比べ、東大受験のコツの紹介が多いように感じた。そして、新シリーズよりも面白い。新シリーズは桜木先生がとても「いい先生」に見えたが、旧シリーズでは「冷徹な先生」に見えた。なんとなくだが、サイコパスのように見えて、いいなぁと思ったのだ。

見定めた目的に向かい、感情に振り回されず、冷静に職務を遂行する。桜木先生は元暴走族で、それが窺える個性も見えて人間味があるが、情に流されることはない。

ドラゴン桜」は新旧とも偏差値の低い生徒が集まる学校が舞台だが、その生徒たちは、よく感情に振り回される。それが人間関係などを破壊し、人生をも崩壊させていく。冷徹な桜木先生の指摘によって、生徒たちはそのことに気づく。先生の厳しいスパルタ指導に耐えられず先生の元を去ろうとすることもあるが、先生はべつに止めもせずあくまで冷静なままで、生徒はやがて、自分がまた以前のような感情まみれの人生に戻っていこうとしていることに気づくのである。見ていると、情に流されない先生こそ真の愛情の持ち主ではないかと思えてくる。

教師(桜木先生は正確には「教師」ではないが)は一種の聖職者であり、聖職に就く人はサイコパスである必要があるんじゃないか、となんとなく思った。