山田詠美の対談集『内面のノンフィクション』(福武文庫、1994年)の佐伯一麦との対談を読むと、二人が「劇画アリス」に寄稿していたことが分かる。「劇画アリス」とはアリス出版が出していた自動販売機専門の劇画誌のことだが、ここに山田は漫画を、佐伯はポルノ小説やら取材記事やらを発表していたとのことである。
私は「劇画アリス」の創刊編集長である亀和田武の『雑誌に育てられた少年』を読んだことがあるが、佐伯に関する情報は見つからなかったと記憶している。
佐伯はここに二十歳くらいの頃にここで書いていたというので、1979年前後のことだろう。当時の佐伯は「蟠竜社」という編プロでライターをしていたはずだから、そこで「劇画アリス」の記事執筆なども請け負っていたのかも知れない。