杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

マニュアルとルール

E.パントリー『親業完全マニュアル』(幾島幸子訳、岩波書店、2003年)という本がある。子育てをする過程で遭遇するであろう、さまざまな事象に対し、それをどう受け止めるべきか、またそれへの対処方法がいくつかずつ紹介している。私自身が親業をやっていることもあって、たまにページを開いて参考にしている。

親子関係の主導権は親が持つべき、と本書は主張するが、現象に対する解釈や対処方法については、「あくまでマニュアル」である。当然だが、ルールではない。それでいて対処法のバリエーションは豊富で、気に入っている。

マニュアルというものは押し並べて標準的な手順や対処法を教えるもので、必ずしもそれに従わなければならないわけではない。子育て以外でも、仕事の進め方のマニュアルもそうだろう。対して、ルールはそれを守らなくてはならない。「悪法もまた法なり」というが、気に入らないルールでもルールはルールである。

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