杉本純のブログ

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「づくし」と「ずくめ」

この二つの言葉が混同されて使われているのを、たまに見かける。多くは、「ずくめ」と言いたいのに「づくめ」とか「づくし」などと書いてしまっている。「異例づくめ」「異例づくし」など、である。いずれも間違いである。が、辞書には「づくめ」は許容される、という記述もある。

づくし…尽くし。それと同類のものを多く並べること。花づくし、宝づくし、など。
ずくめ…尽め。そればかりであること。いいことずくめ、黒ずくめの服、など。
意味が似通っているので誤用しやすい。注意したい。

それにしても、「敷居が高い」「~ありき」の誤用はなくなる気配がない。それどころか、増えている。「難易度が高い」も、もう身の周りに多過ぎて参っている。なお「難易度が高い」は、難しいと言いたいなら「難度が高い」が確実だと言いたいだけである。

今年の箱根駅伝では駒澤大学の監督が飛ばした「ゲキ」が話題になったが、あれは「檄を飛ばす」ではないだろう。「激励」の「ゲキ」だろうか。「檄」だとしたら誤用である。「檄を飛ばす」は自分の思想を伝え広めて同意を求めることである。

間違うのは仕方ない。それに気づき、直すよう心掛けたい。