杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

自分を亡くす

ここのところ、めちゃくちゃ忙しい。十一月なのに師走の忙しなさを感じさせるほどである。

忙しい時期は昔からほぼ定期的にあるが、近年は物事を俯瞰的に見つめる視点が養われたのか、仕事の全体像が見えていて、以前のように暗闇の中を這い回っているような絶望感はない。昔は業務量が一日の許容量をオーバーすると周囲を取り囲まれたような感覚になり、観念したあげく笑い出す、といった振る舞いをしていた。それでも体力と時間が余るほどにあったから、まぁ終電までやればいいや、とか、休みの日にやればいいや、などと考え、実際にそうしてやり過ごしていたように思う。能天気だったのだ。

そう考えると俺は少しは成長したのかな、と思うが、度を越えた多忙はやはり心身に良いものではない。私は調べ物と書き物をライフワークにしているが、仕事が忙しいゆえにライフワークに手が着けられない日が続くと、自分を見失う…つまりだんだんと自分が自分でなくなってくるような気がしてくる。「忙しい」の「心を亡くす」とはつまり、自分を亡くしてしまう、ということじゃないか。