杉本純のブログ

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お金のはなし9 投資と投機

前にも書いたが、ときどき知人とお金、中でも投資について話すことがある。けれどもどの知人も、話を聞いていると、当人が関心があるのは「投資」ではなくどうやら「投機」であるのが分かり、残念な気持ちになることが多い。

ここでいう「投機」とは、平たく言えばギャンブルである。株を安く買って高く売り、売却益を狙うことだ。対してここで言う「投資」とは、中長期的な投資の計画を立て、投資先について調べた上で買い、売却益よりは配当金や分配金を狙うことだ。

余談だが、私は株式投資などには詳しくないが「投資」は本質的に色んな物事に通じると思っている。勉強はもちろん、時には遊びも自分への投資になると考えている。投資するものはお金であったり時間であったりと様々だが、そこには目的と計画があり、少ない投資からなるべく多くの成果を得ようとしてあれこれ考えることになる。

一方の「投機」も本質的にあらゆる物事に通じている。勉強をする時、単にいい大学に入りたいからとか、この資格を取ればギャラが上がるから、などと考えるのは投機的ではないか。あるいは部下や後輩を指示する時、単なる安価な労働力と捉えて馬車馬の如くこき使い、自分は楽をしようとするのは投機的ではないか。この場合、きちんと適材適所で配置して本人の状態に合わせた業務の割り振りや指導を行うのは、成長してさらに活躍してくれることを期待した投資になると思う。

つまりは、刹那的か中長期的かの違いかと思う。狩猟型と農耕型の違いとも言えるかも知れない。良い悪いは関係ない。

私は中長期的で農耕型の投資の話をしたいのだが、知人の多くは刹那的で狩猟型の投機に関心が大きいようだ。これでは話は合わない。