杉本純のブログ

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「書く生活」の難しさ

アニー・ディラード『本を書く』(パピルス、1996年)は、ときどき読み返している本。原題は“THE WRITING LIFE”で、これは「書く生活」といった意味かと思う。タイトルの通り、作家であるアニー・ディラードが、「書く生活」の深奥にあるべき作家の姿勢や覚悟、奥義のようなものを述べていて、何かと参考にするのである。

一方で、会社勤めをしながらディラードがいうような「書く生活」を送るのは、けっこう、というかかなり難しいと思った。ディラードが本書で示した奥深い境地に達するには、心おきなく原稿に集中できる環境が必要だろう。それが得られるなら苦労はしないよ、と思えてくるのである。