年末年始の休みは、ゆっくり近所を散策することができた。そうして訪ねた古寺の敷地の中に、その古寺を説明する教育委員会の案内板があり、そこには、その古寺の鐘は文人の垂涎の的で、江戸時代から「杖をひく」人がたくさんいたと書かれていた。
「足を運ぶ」なら分かるが、「杖をひく」とは一体なんだろう?
と思って調べてみたら、散歩する、という意味らしい。または旅することを指すようだ。ネット辞書の用例には芭蕉『奥の細道』の文が使われていた。なるほど文人墨客など教養ある人が歴史ある場所や建造物などを見に行く時は、芭蕉のように杖をひいて歩くことになるだろう。そんな風に考えると、この成句の成り立ちが推察されるような気がする。正しい語源は知らない。