杉本純のブログ

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赤羽刀見納め

技術と手間を要する日本刀の保管

板橋区立郷土資料館の開館50記念特別展「接収刀剣―板橋に集いし赤羽刀―」が、昨日終わりました。先日、三回目の訪問をして後期展示を見てきました。

「刀 古山陸奥介弘元 天保八年二月日」や、「脇差 武蔵大掾左近是一」と「脇差 武蔵大掾是一」の初代・二代のセット、源清麿の門弟・栗原信秀の「刀 栗原筑前守信秀」、「薙刀 山城大掾藤原国次」、「刀 和泉守兼定」といった刀が印象的でした。

また、前後期を通じて展示されていた未研磨の赤羽刀は、国から譲渡された当時の姿で展示されていました。油紙に包まれ、研磨されていないため錆や破損が残っており、劣悪な状態で保管されていたことが窺えます。

本企画展に触発され、赤羽刀に興味が湧き、日本刀に関する本も数冊読みました。日本刀を保管し続けるためには専門知識を持った人が手入れをして、丁寧に保存しなくてはならないようです。つまり持ち続けることすらけっこう大変な代物だということです。全国に散らばった赤羽刀は、そうした知識と技術を有する人が役目を果たしているからこそ、こうして私たちが見ることができるのです。ありがたい。

これで赤羽刀はしばらく見納めになります。

刀 古山陸奥介弘元 天保八年二月日

脇差 武蔵大掾左近是一

刀 栗原筑前守信秀

薙刀 山城大掾藤原国次

刀 和泉守兼定