杉本純のブログ

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板橋区の大昔

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板橋区立郷土資料館で、企画展「再発見!いたばしの遺跡」が10月9日から昨日まで開催されました。

板橋区内には、約4万年も前の旧石器時代からヒトが住み、続く縄文、弥生、古墳時代にもヒトが生活していたことを物語る遺跡がいくつも見つかっています。中でも弥生時代の終わり頃から古墳時代にかけての土器が他区に比べても多く見つかっているものの、それは比較資料が豊富である一方、時代の境目を分かりにくくしている側面もあるそうです。本企画展は、モノから歴史を考える考古学の手法を使って情報をどう読み取り、時代の違いを見出すのかを伝え、昔の道具に重要な情報が隠れていることを知るきっかけを提供することを狙いとしています。…うーん、かなり高度な企画展だったんですね。

展示されていたのは「土器」。社会の歴史の教科書でよく見たあの「土器」です。展示スペースの一部には板橋区内の遺跡の一覧を伝えるパネルがありましたが、どうやら区内には数十の遺跡があったらしい。今の西台や赤塚や前野町など、武蔵野台地の上に多くあったようですが、高島平や新河岸の方にもあったらしく、荒川に近いところでも大昔にヒトが住んでいたんだなと思いました。

展示されていた土器は、成増や西台や四葉などの遺跡から出土したものが中心でしたが、大田区教育委員会宮内庁などから借用した資料も展示されていました。

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郷土資料館の企画展は江戸や近代以降のものが好きですが、大昔のヒトの営みを窺える今回の企画展もなかなか面白かったです。