牧子は四十を迎えたこのごろになって、ようやく、自分の蹉跌の多かった運命の根は、人並みより豊かな母性の機能を恵まれた軀の中に、おびただしすぎる娼婦性の情緒を棲まわせている矛盾を軸として、不器用にぎくしゃく廻ってきたのだと悟ったようだ。 瀬戸内…
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