杉本純のブログ

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板橋区立郷土資料館 開館50周年記念特別展「接収刀剣―板橋に集いし赤羽刀―」

展示物はほぼすべて日本刀

板橋区立郷土資料館に行き、10月8日に始まった開館50周年記念特別展「接収刀剣―板橋に集いし赤羽刀―」を見ました。

赤羽刀とは、日本が第二次世界大戦に敗戦した後、連合軍に接収された刀剣類、中でも日本刀のことを指します。それらは東京都北区赤羽の米第八軍兵器補給廠に保管され、1947年に日本の旧所有者などに返還されました。今回の展示は、郷土資料館の開館50年を記念し、同館を含め各博物館に所蔵された赤羽刀を紹介するものです。

展示物は、ほぼすべて日本刀。いつもの企画展は、展示物が単一ではなく多岐にわたっている印象がありますが、今回は一種類の展示物で埋め尽くされていました。シンプルですが、ひときわ気合いが入っている気がしましたね。

脇差 近江守法城寺橘正弘

脇差 荘司筑前大慶直胤(花押)

奥:脇差 以南蛮鉄於武州江戸、手前:刀 近江守藤原継広

奥:短刀 兼涌、手前:槍 栗原信秀造

目玉と思われるのは、江戸後期に活躍した刀工・水心子正秀(すいしんし・まさひで)作の脇差です。水心子正秀は、源清麿と大慶直胤とならび「江戸三作」と呼ばれた名工とのこと。展示されていた脇差二振はいずれも板橋区立郷土資料館の所蔵です。スポットライトの光を浴び、妖しいほどの光を放っていました。

脇差 水心子正秀(花押)

また展示は日本刀の鑑賞ポイントの紹介や、連合軍による接収から処分、保管、日本への返還などの経緯のパネル展示による解説も行われ、日本刀および赤羽刀への理解を深められる内容になっていました。勉強になります。

特別展は12月11日までなので、期間中にまた見に行きたいです。