杉本純のブログ

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板橋区立郷土資料館 第20回板橋区伝統工芸展「染と織-真田紐・江戸小紋・江戸手描友禅-」

脱サラ職人

板橋区立郷土資料館に行き、7月9日から開催されている第20回板橋区伝統工芸展「染と織-真田紐・江戸小紋・江戸手描友禅-」を見ました。

板橋区伝統工芸展は、1995年に初めて開催されたもの。区内在住の職人などの協力を得て、その技術や作品を紹介するものです。今回は「染」と「織」をテーマとし、真田紐、江戸小紋、江戸手描友禅の職人と作品が紹介されました。

紹介されたのは、真田紐は市村藤斎、江戸小紋は小林福司、江戸手描友禅は寺澤森秋の三氏で、いずれも板橋区内で制作を行っています。中でも小林福司の江戸小紋の工房はかなり近所に所在していますが、恥ずかしながら、その存在を私は知りませんでした。

展示はいずれも趣のあるものでした。真田紐は日本独自の丈夫な紐で、戦国時代には甲冑を結ぶためにも使われていたとのこと。江戸小紋は小林福司がSNSを使って発信し、若い人からも反響を得ているらしいです。そして江戸手描友禅は寺澤森秋が1994年頃からインドネシアに赴き、現地のパティックという伝統的な染色方法との融合を行ったそうな。面白いですね。

三人のうち、市村藤斎は元会社員、小林福司は元高校教師でした。それぞれ、家族の事情からではあるものの、勤め人の道を捨てて職人の道に入ったそうです。いわゆる脱サラのような感じで職人になったのですね。

伝統工芸展は9月19日まで。

真田紐

江戸小紋

江戸小紋

江戸手描友禅

江戸手描友禅の道具