杉本純のブログ

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映画『二十六夜待ち』評を読む。

キネマ旬報」No.1767(2018年1月上旬新年特別号)に映画『二十六夜待ち』(越川道夫監督、2017年)のレビューが載っていたので読んだ。

評者は上野昴志、上島春彦、吉田伊知郎の三人で、レビューは★の数で評価されている。★は最大五つで、上野★★★★、上島★★★★★、吉田★★。それぞれ400字にも満たない短い感想文なのだが、まず三人とも佐伯一麦の原作を読んだ形跡はなく、特に上野と上島はどうもコメントが抽象的というか不鮮明で、何が言いたいのか今ひとつ分からない(もっとも、映画を観たり評価したりするのに原作を読まなくてはならないわけではない)。

吉田は星二つだが最も客観的に書いていると思った。それにしても、この映画は原作を読み、それと比較することなしに論じるのがけっこう難しいんでは?と思った。映画だけを観れば、恐らく多くの人が退屈でつまらないと思うと思う。