杉本純のブログ

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お金のはなし17 不趨浮利

物事は長期で考える

「不趨浮利」は「ふすうふり」と読みます。住友電工のホームページに出ていた経営理念です。

「浮利」とは、正しくないやり方で得た利益のことで、平たく言えば「あぶく銭」です。「不趨」は「走らない・追いかけない」といった意味で、だから全体では「あぶく銭を追い求めない」という意味になります。

もちろん、あぶく銭でも銭は銭、ですけれど、長期的に考えれば、あぶく銭を当てにしていたのではやがて立ち行かなくなるのは容易に想像できます。不趨浮利。いい言葉です。

人間は一年でできることを過大評価し、十年でできることを過小評価しすぎる、といった意味の言葉を聞いたことがあります。あぶく銭を追い求めるのは、一年でできることを過大評価している、と言い換えることができそうな気がします。

それにしても、近年はようつべのビジネス動画の影響で、バビロン大富豪の教えとか海外の著名な投資家の考え方とかをよく吸収していますが、日本にもいい考えがあるではないかと感じます。「不趨浮利」や、近江商人の「三方よし」などもいい考え方だと思います。まあ源流は中国の思想かもしれませんが。