杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

自分の機嫌は自分でとる

心の手綱を握る

もうずいぶん前ですが、たしか精神科医の先生から、児童虐待をしてしまう親の心理について話を聞いたことがありました。後日、その先生が書いた児童虐待に関する本を読み、そこに子供と大人の違いは「自分の感情に責任を持てるかどうか」とあり、なるほどと思ったものです。

先生によると、子供は自分の感情に責任を持てない人で、大人はそれができる人、ということになります。児童虐待に関する本だったので、つまり子供を虐待してしまう親は、自分の感情に責任を持てず他人に押し付けている幼稚な人、という論旨なわけです。

その本を読んで二十年近くになりますが、なにも児童虐待などと言わずとも、会社の中のパワハラなど、加害者はようするに自分の感情を自分で処理できない幼稚な子供なのではないか、と最近は思っています。

以前、芸人のみやぞんが「自分の機嫌は自分でとる」という趣旨のことを言い、一般人の共感を集めていました。メンタルコントロールなどに関するいくつかのweb記事でその言葉が取り上げられましたが、まったくその通りだと思います。人に自分の感情をぶつけず、心地よくなる習慣を身につけ、メンタルが落ちてきたらそれを実行して自力でメンタルを回復させる。考えてみれば、当然のことでしょう。

そうやってご機嫌になり、笑顔でいることが多くなれば、さらに笑顔になれることが舞い込んでくる、と記事に書いてありました。笑門来福というやつでしょうか。逆に、不機嫌な顔で周囲に負の感情を撒き散らしていると、さらに不機嫌にさせられる事態がやってくるらしい。

自分の人生を振り返ると、周囲には自分の機嫌を自分で取れない人が実に多かったと思います。いや、厳密にはたぶん自分で自分の機嫌をとれる人はいたはずですが、私が感情を撒き散らすので、私から遠ざかっていったのです。そして、同じような感情を自分で処理できない幼稚な子供ばかりが周囲に残ったのです。「小人交甘如醴」を地で行っていたわけです。

自分の心の手綱は、自分で握らなくてはならないと思います。