杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

リセット願望2

人生はリセットできない

染井アキ『ダメ人間だと思ったらHSPでした!』(産業編集センター、2020年)を読んでいたら、HSPのみならずHSS型のことも書かれていたので、ほぉ俺のことが書いてあるのか、と思って読みました。読者が自分がHSSかどうかを判定できるセルフテストの後、こんな風に書いてあります。

 私が当てはまる気質と感じるのは、既に知っていることに興味が薄く、新しい場所・人が好きで、そしてとても飽きやすいところです。
(中略)
今までのパターンでいうと、知ることなくなると、その人に飽きてしまいます。すぐ飽きるせいか、人間関係もすぐリセットしがちです。最近も、会社で仲良くなった同僚との関係をなくしてしまいまいました。優しく接してくれていたのに、なかなかリセット癖が治りません。

私自身は「人に飽きる」はあまりないと思いますが、学校や職場で築いた人間関係が、そこを卒業したら消えてしまった、という経験は何度もあります。所詮はうわっつらの関係でしかなかったから、卒業後も継続させられなかったのでしょう。

ところで以前このブログに「リセット願望」という記事を書きました。記事で紹介した三田紀房『汗をかかずにトップを奪え!』(大和書房、2007年)には、人生のリセットなどできないのでそんな願望は捨てろ、といった主旨の記述があり、私自身がそういう願望を強く持っていた、と書いたのです。

今回、本書を読んで、もしかしたら自分はHSPの気質を持ち、中でもHSS型であるらしいことがリセット願望の根幹にあるのかもしれない、と思いました。

けれども、そういう気質の問題はあるにしろ、三田先生の本に書いてあることが世の現実だと私は思うので、人生にリセットなどないという覚悟で生きていくべきでしょう。それは著者の染井も感じているようです。