杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

高解像度人間

環境は慎重に選びたい

HSPに関する本を断続的に読み続けています。私自身が恐らくHSPですので、HSP関連書は自身の生活を通じて実感することの確認と、少しでもストレスを減らして快適に暮らすヒントを得ることを目的に読んでいます。

エレイン・N・アーロン『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(冨田香里訳、SB文庫、2008年)には、HSPの神経の細かさが目の細かい網に例えて紹介されています。つまり、HSPはそうでない人よりも細かい網を持っているので、キャッチしてしまうゴミも自然と多くなる、ということ。常人よりもたくさんのことを感じてしまうため、ストレスを抱えやすく疲れやすくもある、ということでしょう。

なるほど上手いこと言うなぁと思ったものですが、私は最近、アーロン博士と同じような意味で、HSPはそうでない人に比べて高解像度の生活を生きているのではないかと思うようになりました。

どういうことかというと、HSPは感性が細かくて鋭いため、物事をより多く、かつ深く感じてしまうのです。だから生活は彩り豊かですし、木目細かくもあります。微妙な変化や違いを感じ分けることができるため、小さな幸せを見つけることができ、それを深く味わうことができるのです。

考えようによってはこれ以上ない好条件の、恵まれたお得な性質ですが、デメリットも少なくありません。高解像度のファイルは容量が重く、パソコンに大きな負担となるように、HSPの高解像度の生活は本人の心身への負担が大きいのです。気候や人間関係によるストレスは人一倍重くのしかかります。だから疲れやすく、ひいては生きづらい。恵まれているように見えて実は損な気質であるといえるでしょう。高解像度人間であるHSPは、その高解像度の生活が心身の負担にならないよう、身を置く環境は慎重に選ぶことが大切です。