杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

地域史と文学

情報の宝庫

調べ物のために手に取った『北区こぼれ話2』(北区立中央図書館、2019年)。これがかなり面白く、やっぱり郷土史というのは情報の宝庫だなぁという気がしています。

本書は、東京の北区立中央図書館・北区の部屋が発行している「北区の部屋だより」の第52号から第100号までの記事を、関連記事を加えて再編集したものです。「北区の部屋だより」は北区の地域史を後世へと引き継ぐことを目的とした長期連載で、こういう記録の集積はそれこそ「労多くして功少なし」かもしれませんが、大事ですね。

「こぼれ話」の第83回は「清張が描いた田畑」で、松本清張の『死の発送』や『日本の黒い霧』、「幻の『謀略機関』をさぐる」、「声」などが紹介されていて、興味深い。

地域と文学を結びつけて考察するのは好きなので、こういう読み物はとてもありがたいです。