杉本純のブログ

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ゴダール雑感

語り継がれることはないと思う

ジャン=リュック・ゴダールが死にました。91歳。久しく名を聞かなかった監督でした。ジャン=ポール・ベルモンドが死んだのが昨年で、ヌーベルバーグの代名詞と思っている『勝手にしやがれ』の主演に続き、監督もいなくなりました。

ヌーベルバーグといえばトリュフォーもいて、私はもちろんトリュフォーにもゴダールにも会ったことがありませんが、思い出はいくつかあります。

私が通った映画学校の、たしか同級生だった人が、卒業後のある時期に、とつぜん思い立って渡仏してトリュフォーの墓を訪ねた、といった文章を学校のブログに寄稿していたのを覚えています。

また、映画学校ではその昔、地域の方も無料で招待して名作を観せる「土曜上映会」というイベントが開催されていました。映画関係者をゲストに呼ぶこともあった面白いイベントでしたが、ゲストに誰を呼ぶかについて意見を出し合う会議で、私はゴダールの名を挙げたことがあります。むろん即却下でしたが、べつに私はゴダールに会いたかったわけではなく、単にネームバリューのある人を挙げただけでした。

私が一年生の頃にお世話になったゼミの講師は、最も好きな映画は『勝手にしやがれ』だと言っていました。私は『勝手にしやがれ』を理解できず、面白いとも思わなかったので、好きだと聞いて戸惑ったのを覚えています。その頃の私は、玄人が良いと言う作品は自分も良いと思わなくてはならない、と無意識に思っていました。

映画学校以外でゴダールトリュフォーの名を聞いたことはほぼありません。これからも恐らくないでしょう。ヌーベルバーグの作品や監督たちに語り継がれる価値があるかというと、映画史的にはあるかもしれませんが、面白い作品として語られることなどないと私は思っています。