杉本純のブログ

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佐伯一麦のライター時代

佐伯一麦『Nさんの机で』(田端書店、2022年)には、佐伯が上京後にフリーライター事務所に所属していた時期のことが何度も出てきます。

例えば、宮本輝原作の『泥の河』を撮った小栗康平のインタビューをして、署名記事として発表された、などと書かれています。『泥の河』は1981年公開なので時期的に佐伯のライター時代と重なります。その署名記事はぜひ読みたいものですが、果たして発表媒体はなんだったのか。おおよその見当はついていますが、アクセスするにはけっこう時間がかかりそうです。

私は文学研究と称して佐伯の実人生を再現するように伝記的事実を集めていますが、上京後の四年にわたるフリーライター時代のことは、ほとんど明らかになっていません。佐伯自身のエッセイには、ライター時代に誰々に取材した、などと書いてありますが、その記事がどこに発表されたかが書かれていないのです。これを解明するのは、大変ながら価値がありそうだと思っています。

Nさんの机で