杉本純のブログ

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お金のはなし13 貯金と投資

お金を働かせる人とお金のために働く人

大河内薫・若林杏樹『貯金すらまともにできていませんがこの先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』(サンクチュアリ出版、2021年)を読んでいます。同じ二人による『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』(サンクチュアリ出版、2018年)を読んでいたので、その流れで手に取りました。

お金の価値は下がり続けており、今後も下がる見込みになっているこの世の中で、いかに自力で資産を守って生きていくかを説く本です。主に投資の基本を紹介する内容で、ためになると思います。

『金持ち父さん貧乏父さん』の論旨の一つに、お金を働かせろ、ということがありました。投資はまさにお金を働かせることですが、これを単に「自分は楽して金儲けするズルいこと」のように考えている人は少なくない気がします。

その考えの後ろには、額に汗して働くことが美しい、といった労働の美徳が隠れているように思います。私はそれを否定しませんが、この世の中で労働の美徳を十分に実行するために、お金のことであれこれ悩まなくて済むようにしたいからこそ、投資をするのがベターなのではないか、と考えています。

他方、投資には目もくれず、節約して貯金ばかりコツコツと積み上げ、かといってそれが楽しいわけでもなくイライラしたり汲々としたりしている人もいます。これはお金を働かせることをしないどころか、お金のために働いてしまっているというべきで、もはや迷妄と呼ぶしかありません。