杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

無為

デフォルトモードネットワーク

ここのところ、公私ともにかなり多忙で、参っていました。脳の疲労はすべてに悪影響を及ぼすようで、読書もままならず、7、8時間眠りたいのに早く床に就いても6時間経ったくらいで朝早くに目が覚めてしまう、日中もずっしりとした疲労感がのしかかり何事にも集中できず焦燥感に襲われる、といったことが続いていました。

パソコンを使っての仕事は近距離を見続けるからか、眼を疲れさせます。眼疲れは肩コリを起こし、脳を疲れさせます。そして、眼を動かす範囲が狭くなると、意識や思考をも狭くなるような気がします。焦燥感や疲労感は、そういうところから来るのじゃないかな、と思ったりします。

私はこれまで、いわゆる「意識高い系」のような生活スタイルを好み、書物に新しい発見を求め、鍛錬を怠らず、また創作をすることで、一日に最低一度、自分がキラッと光る瞬間をつくるよう心掛けていました。

しかしそういう過ごし方は、ある意味で自分を追い込んでもしまうものらしく、読まなくては、鍛えなくては、創らなくては…と自分を追い立て、結局は上記のような疲労を招き、自分を憔悴させてもいたように思います。

近ごろは、公園で何も考えず遠くの木の葉の揺れるのを眺めてボーっとしたり、散歩して草木虫魚を見たりしています。遠くを見たり、近くでも生き物の動くのを見たりするのは、脳にけっこう良い効果があるのか、太陽光を浴びながら三十分ほどそういう時間を過ごしていると、頭がすっきりとして気分も良くなってきます。

ボーっとすると、脳のデフォルトモードネットワークが活発になり、頭の中が整理されると聞いたことがあります。無為に過ごす時間も大切だということです。