杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

昭和59年6月30日

佐伯一麦が「海燕」新人文学賞を受賞した「木を接ぐ」を書き上げた日です。土曜日だったようです。当時、私は4歳で、幼稚園に通っていたはずです。

その日は「海燕」新人賞の応募〆切日で、佐伯は郵便局の窓口から送付したそうです。だが、制限枚数に合わせるために削った箇所がうまくいっているかどうかが送付手続き後に気になり、窓口に引き返して確認させてくれるよう頼んだものの、それはできないと言われて諦めた、と『Nさんの机で』(田畑書店、2022年)に書いてあります。

受賞の知らせが入ったのは9月14日で、佐伯は勤めていた工事店のおかみさんから聞いたとのこと。福武書店からおかみさんに連絡が入り、おかみさんがポケットベルで従業員の佐伯に連絡し、佐伯は公衆電話から折り返して聞いたのです。

海燕」新人賞の選考過程は、調べればわかったでしょうが、3か月もなかったのだと知りました。今の新人賞よりかなり短い印象です。

Nさんの机で