杉本純のブログ

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人間は進化しているか、退化しているか

マイケル・ボンド『失われゆく我々の内なる地図』(竹内和世訳、白揚社、2022年)を読んでいます。

人間の「ナビゲーション能力」は空間を把握する能力ですが、それ以外にも出来事を記憶したり思い出したり、人間関係を理解したり、抽象的な概念を探ったりできる重要な力で、それを人類は長い進化の過程で培ってきたらしいです。しかし、GPSや現代的な生活によって方向や場所を把握する必要がなくなり、ナビゲーション能力が急速に衰えはじめているとのこと。

興味深い内容ですが、本書のテーマとは別に、人間てテクノロジーによって進化しているのか退化しているのか、そもそもよく分からないです。五感や筋力、敏捷性などは全体では間違いなく退化していると思うけれど、寿命は延びている。昔は人生が太く短くだったのが、今は細く長くになっているということかも知れないな、と思います。