杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

すめら

古語の響きはいい

カタカナにすると怪獣の名前みたいですが、これは「皇」の読みで、天皇、ないし神といった意味です。

三島由紀夫の短篇「英霊の聲」を私は読んだことがありませんが、その中に「などてすめろぎは人間となりたまひし」という一節があり、それが「どうして天皇は人間になった」という意味だと知り、「などて」や「すめろぎ」ってなんだ?と思って古語辞典をひいて調べました。

「すめろぎ」は「すめらぎ」ともいい、やはり天皇とか皇統などを指すらしいことがわかりました。「などて」は「どうして」という意味です。

同様の意味で「すめらみこと」という語もあります。そのことを知った時、原將人の『初国知所之天皇(はつくにしらすめらみこと)』が思い浮かびました。

意味は別として、「すめら」「すめろぎ」「すめらみこと」など、古語の響きはいいなあと思います。このささやかな調べ物を機に、ずいぶん前に捨ててしまった古語辞典をまた買おうかなと思いました。