杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

多摩ニュータウン開発の目的

乱開発の防止だったらしい

『地図で読み解く東京』(三才ブックス、2021年)は、東京という世界有数の都市について、地形と自然、交通と運輸、経済と文化などの面から、地図を主体としたビジュアルで解説する本です。歴史と地理に興味を持つ人であれば、まず面白い一冊ではないかと思います。

章立ては「地形と自然」、「交通と運輸」、「社会と経済と文化」、「町の発展と開発」で分けられ、テーマに関わる東京各地のことがコラムのような短い文章で紹介されています。

私は、地元周辺のことが載っているページを中心に読みましたが、他にも、多摩ニュータウンの開発目的について述べたページなども、興味があって読みました。多摩ニュータウンは、あの広大な多摩丘陵が乱開発されるのを防ぐためだった、とのこと。多摩ニュータウンの一帯を私は車窓などから眺めたことがありますが、あの街の開発はたしか『平成狸合戦ぽんぽこ』で描かれたように、狸などの住む山や森の破壊だったのではないか。しかし本書の書くことが確かなら、あの街が開発されなければ、あの地域はもっとめちゃくちゃに開発されていたかもしれない、ということでしょう。

私は地誌の類いを読むのが好きで、いつか自分でも地誌とか風土記の類いをまとめたいと考えています。こういう本を読むと、その意欲が刺激されてきます。