杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

良寛詩碑

日中友好の懸け橋

題蛾眉山下橋杭
不知落成何年代  書法遒美且清新
分明我眉山下橋  流寄日本宮川濱
            沙門良寛

越後出雲崎に生まれた良寛が、中国から長江を下って日本海を渡り、柏崎市の宮川浜に漂着した木柱を見て詠んだ詩です。木柱には「娥眉山下喬」という五字が刻してあったそうで、そこから良寛が遠い中国に思いを馳せ、遙かな想いを詩に託したのだとか。写真の石碑には、その詩文が刻まれていました。

木柱が漂着したのは1825年12月。今から約200年前になります。その後、良寛の詩を刻んだ石碑が日中友好の懸け橋として中国に贈られ、長江を遡って峨眉山下清音閣公園に建立。1990年8月に除幕されたとのことです。

写真の石碑は、新潟県柏崎市高柳町の「じょんのび村」という施設の片隅に建立されています。由来の文章には「副碑」とあります。

歴史は街中に在る

石碑は、「ONE PIECE」のポーネグリフのようなもの。私は街の一隅に石碑が建っているのを見つけると、思わずその中身を読んでしまいます。そこに記された碑文が街や建物などの歴史を現在に伝えていて面白いからです。さらに興味が湧けば、郷土資料などで詳細を読むこともあります。

歴史は街中に点在しています。それは石碑に限りませんが、石碑は最もダイレクトに歴史を伝えてくれるコンテンツと言えます。