口八丁が嫌
本多信一『人生が変わる お金と会社にしばられない生き方』(PHP、2013年)に、こんな箇所があります。
いろいろな会社に赴いてさまざまな人たちを観察すると、やはり、「ウソのつけない正直な人」が伸びているといえます。もちろん二十代、三十代のころは“口八丁、手八丁”のパフォーマンス型社員が伸びますが、四十代、五十代になると、“正直もん社員”が同僚や上司からの尊敬を集めて、グーっと伸びる例が目立ちます。
上記はもちろん本多さんの体験に裏付けられた実感なのでしょうけれど、本当だとしたら嬉しい。私はチビの頃は嘘ばかり吐き、口八丁でやっていましたが、やがて嘘がつけない性格になっていったように思います。というより、口八丁でうわべだけ調子よく、すいすい泳ぐように人生の荒波を切り抜けていくような「器用な人」を軽蔑するようになって、その気持ちから嘘がつけなくなったような気がします。
本多さんの言うとおりだとしたら、正直もんは四十代、五十代から伸びてくるので、楽しみでもありますね。
ちなみに、正直者の中にも豊かになれる人と馬鹿を見る人がいるらしいです。ひたむきに正直であり続けようとする人は豊かになれるそうですが、自分が正直であるだけでなく他人にも正直であることを求め、正直でない人をディスるような人は、けっきょく馬鹿を見るのだとか。