杉本純のブログ

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決めなくていい。3

世の中が変わってきた

すでにこのブログで何回か書きましたが、判断や決断をするにはけっこうエネルギーが必要です。それだけでなく、いったん何かを決めたら、その通りにしなくてはならないと思うので、さらにエネルギーが必要になるような気がします。

そう考えると、何かを判断したり決断したりするのは損なことではないか。最近は、そんな風に考えるようになっています。

思うに、ひと昔前は、この学校に入るとか、この会社に入ろうかとか、独立しようかとか引っ越そうかとかいうことが、一度決めたらその後の人生や生活を否応なしに強く規定していたのではないか。人生の歩み方のパターンが少なく、こちらに進んだらこうなる、といったことが大まかに決まっていたのではないか。だから、多大なエネルギーを注いででも決断をすることが求められ、決断力があることが大切だったのではないかと思います。

しかし今は、この方向へ進んだらその先はこうなる、といったことが一様でなくなってきた。受験して入った学校を辞めて違うところに編入する、いい会社に入っても考えが変わったら転職したり独立したり、ということが当たり前になってきたような気がします。

いや…人生は元々そういうものだったはずですが、以前は会社などの組織、ひいては国が、分かりやすい一つの方向性を打ち出し、集団でそこへ突き進まざるを得ない状況だったのが、元に戻ってきたのではないか。壮大なゴールを目指して皆で軍隊式に突き進んできたのが、一段落して、本来の姿を取り戻しつつある、ということかなと。

PDCAよりOODA

そうなると「決める」という行為の重要性は弱まり、それぞれが進んだ先で小さな選択をして、少しずつ軌道修正したり方向転換したりするようになる。壮大な理想は達成できないかも知れないが、それでもそこそこ幸せに生きることができ、そもそもそんな理想は必要ない。むしろ、日々の小さな選択の積み重ねで少しずつ人生を良くしていくことで、大きな目標だって達成できるようになる…ということではないかと最近は思うようになりました。

ビジネスの現場でも、今はPDCAよりもOODAが重視されているようです。決断と言うほどのものではない、小さな選択と行動を継続することが大切なのではないかと思います。