杉本純のブログ

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シドニー・ポワチエの思い出

『野のユリ』と「Amen」

シドニー・ポワチエが亡くなりました。94歳。シドニー・ポワチエというとやはり『野のユリ』(1963年)で、劇中でポワチエが歌う「Amen」は強く印象に残っています。好きな映画音楽や主題歌は多数ありますが、「Amen」もその一つです。

ポワチエはこの作品でアカデミー主演男優賞を黒人として初めて受賞しました。それより前の『手錠のまゝの脱獄』(1958年)は、トニー・カーチスと共に主演男優賞の候補になったものの受賞できなかった作品ですが、この映画も見応えのある作品だったと記憶に残っています。

母がよく語った俳優

私はポワチエの出演映画を全て観ておらず、上記の二つの作品だけが印象に残っています。それでもこの俳優を強く記憶している理由は、恐らく母親の影響です。私は幼時から何度となく、映画好きの母親からポワチエの名を聞かされていました。母親がどういう文脈でポワチエの名を述べていたのか、今では思い出せませんが、ぽわちえ、という日本語にはない音の連なりと相俟って、記憶に刻まれていたのだと思います。

ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンとかアンリ・ブリュラールとか、音が印象的な名前って、けっこうありますね。