杉本純のブログ

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記憶をなくした人

NHKの番組「ねほりんぱほりん」、今シーズンも楽しく見ています。

12月10日は「記憶をなくした人」で、これは以前、正月の放送の時に満島ひかりさんがこの番組で取り上げてほしい人としてリクエストを出したことがきっかけになり、実現したテーマでした。

番組収録はリモートで行われたようでしたが、面白かったですね。友人はおろか、家族でさえ覚えていないというのは、ちょっと想像がつかない。頭の中に渦巻くハリケーンのようなものに手をのばすと記憶の欠片のようなものを取り出せるが、それが事実だったかどうか母親に確かめたら、そんな事実はないと言われたとか、やはり異常と言わざるを得ず、世界にはこんな人がいるんだ、と思いました。

フィクションの中では記憶をなくした人を何回か見た覚えがあります。最もよく覚えているのは、やはり「北斗の拳」のケンシロウでしょうか。たしか最終巻の27巻で記憶をなくし、宿敵(といっても結局は雑魚ですが)のボルゲとバットが命を懸けて戦い、バットの必死の叫びを聞いて記憶を取り戻す、といった筋でした。

ねほりんぱほりん」に出ていた人は、過去の記憶を取り戻すことはできず、新たな記憶も定着しにくいらしい。ケンシロウのように都合よく全部思い出すことは、実際にはあるのかどうか。。きっと、思い出せた人というのは、脳の中の記憶の貯蔵庫はひとまず無事で、それを出力する(思い出す)ことができなくなっていた状態から、何らかの刺激を受けたことで出力の回路が復旧したということでしょう。思い出せない人は、出力の回路が壊滅したか、貯蔵庫自体が損傷を受けて記憶が文字通り消えてしまった人なのかなと。