杉本純のブログ

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テレビドラマ版「ナニワ金融道」

青木雄二の漫画『ナニワ金融道』が好きなので、中居正広主演のテレビドラマ版をレンタルショップで借りてきて見ている。

Wikipediaを参照すると、ドラマは1996年より放送され、脚本は君塚良一、演出は河毛俊作が担当している。中居正広が灰原で、桑田は小林薫、社長は緒形拳である。六角精児も出ている。

シナリオは原作からいくらかアレンジされていて、原作よりも人情ものの色彩が強くなっている。灰原が原作よりカッコイイ。これはこれで、一つのドラマとして面白いが、原作のような、人間たちのお金を巡るどろどろ劇を冷徹に見つめるリアリズムの眼が感じられず、ちと物足りない。緒形拳の社長はのほほんとしながら骨董品を撫でたりしていて、いい人にすら見えてしまうし、小林薫の桑田は剽軽な感じすら覚える。

原作の世界はもっと、むくつけき男たちの血も涙もない仕事ぶりを描いていて、だから面白いのだが、ドラマはやはり一般視聴者向けということもあってか、原作のどぎつさが薄められていると思った。

とはいえ、やっぱり何だか面白い。最後まで見てしまいそうだ。