杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

駄作を世に出す勇気

本の雑誌』に連載中の鈴木輝一郎「生き残れ!燃える作家年代記」をいつも読んでいる。2021年3月号は執筆編「駄作を世に出す勇気が大切でござる」で、書けない時の対処法が紹介されている。

書けない主な原因は、何も思い浮かばない、書くことがない、熟成不足、納得できない、ぜんぶ揃っていても書けない、の五つで、それぞれの対処法も述べられている。

今回のタイトル「駄作を世に出す勇気」は、四番目の「納得できない」の対処法として述べられている。「駄作を世に出す勇気を持て!」とは、島本和彦の言葉であるらしく、島本は他にも「駄作で金をもらってこそ本当のプロ!!」とも言ったそうだ。

読み、反省しつつ頷いた。これまでいくつも小説を構想し、いくらか書いては葬ってきた。「納得できなかった」からである。その背景には、高すぎる理想があったように思う。それはあっても構わないのだろうが、そこに到達できなくても書き、発表しなくては。