杉本純のブログ

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スケールしないことをやる

Airbnbが上場した頃、NewsPicksがTwitterで同社の苦しかった時期のエピソードを漫画で紹介していた。その中で、スタートアップ養成スクールの創業者が、Airbnbの創業者に「スケールしないことをやるんだ」と言う場面がある。Airbnbの創業者は、スケールしないことをやる意味はない、と思っていたので意表を突かれた形になったのだが、それが創業者がAirbnbの存在価値を自覚する契機となる。

「スケールする」とは、プロジェクトなどの規模が拡大することを意味するビジネス用語である。ビジネスを飛躍的に成長させる、といったことかと思う。

スクールの創業者は、スケールしないことをやれ、そのサービスを愛してくれる人を100人得ることが大切だ、といったことを述べたらしい。すると、その100人が次に広げてくれる、と。

こういうビジネスの世界のエピソードを小説の世界に持ち込むのは強引な気がするが、北方謙三先生が「作家というのは大勢の読者に向けて書いちゃいけない。たった一人に向けて書く。」と言ったのは、これと同じことなんじゃないかな、と思った。