杉本純のブログ

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頓珍漢

先日テレビのあるトーク番組で、企業活動の裏取引をしていた人が登場して、経験談を披露していた。その中で、ホストの側が、そういう裏取引を進めるやり取りの中で、暗黙の了解のようなものを理解できない頓珍漢な人っているの?と聞いたら、ゲストは、頭が悪い奴がいる、と答えていた。

頓珍漢の語源はたしか刀鍛冶の世界のことで、複数の鍛冶師が槌を入れてトンテンカンと鳴るのが良いのだが、それに合わせられない人がいると「トンチンカン」とズレた音が鳴ってしまう、転じて間抜けな人、ということだったと思う。「頓珍漢」は当て字であるそうな。

裏取引の話でも刀鍛冶の話でも同じだと思うが、暗黙の了解とか空気を理解できない、調子を合わせられない人は世の中にいる。頭が悪いと言えば、そうかも知れない。しかし私が最近思うのは、事前の説明もせず了解も取り付けていない相手に対し、言わなくても分かっているだろう、式の姿勢でやり取りをしようとするのは難しいのではないかということだ。