杉本純のブログ

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初冬の都立赤塚公園

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初冬のある日、昼間に都立赤塚公園を訪れる機会があった。

公園は秋になるとイチョウの木が黄葉し、とても趣ある景色になる。葉がパラパラ落ちる様子を見ると、『第三の男』のラストを思い浮かんできてアントン・カラスのチターが頭の中で流れてしまうのだが、この写真を撮った時はすでにその状態は過ぎていた。とはいえ、空気が乾燥してくると青空がひときわ鮮やかになるので、冬の赤塚公園もわりと気に入っている。

赤塚公園は、写真の噴水広場がある真四角の敷地の外にも、「番場地区」「大門地区」などへと広がって全体では変わった形をしている。これは、周辺の地域が区画整理の際に土地を譲ってくれたので拡張した、といった経緯があることを何かで読んだ記憶がある。面白いものだ。

おしなべて公園というものは、特に都市の場合はその成り立ちが当該地域の開発と密接に関わっていて、中には敷地の片隅に開発完成を記念して建てられた石碑があることがある。その裏側などには開発に関わった人の名前が書かれていることがあり、地域史の重要な資料と言えると思う。