自宅には過去の文藝雑誌が何冊かある。目的なく気が向いて買っただけのものが多いのだが、その中に「群像」2016年6月号があり、第55回群像新人文学賞の受賞作が発表されているので、恐らくこれに気が向いて買ったのだと思う。ちなみにその当選作は岡本学「架空列車」だが、買ったけど読んでいない。せっかくだからこんど読んでみようかな、などと思っている。
さて今回その本の目次を見てみたら、佐伯一麦が寄稿しているではないか。「私のベスト3」というタイトルで、他に藤森昭信と星野博美が寄せている。どうやら、どんなテーマでどんなジャンルでも構わないので何かのトップ3を発表する随筆のようだ。
佐伯のは「頭痛文学」という題で、文学に表れた頭痛というテーマで芥川龍之介、樋口一葉、カフカの三人を紹介している。佐伯自身がかなり強い群発頭痛の持ち主であるようで、三者三様の頭痛の現れ方を紹介しつつその苦痛に共感している。ただし樋口の場合は、井上ひさしの戯曲『頭痛肩こり樋口一葉』の台詞を引用している。
佐伯が頭痛持ちであることは知らなかった。私も学生時代や貧乏していた時期にはときどきひどい頭痛に襲われたが、今ではない。