杉本純のブログ

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映画『星の子』を観た。

芦田愛菜主演の映画『星の子』を観た。私は『こちらあみ子』を読んで、今村夏子はすごいと思っていたので、この原作も読もうと思っていたし、映画も観たいと思った。

芦田愛菜演じる主人公・ちひろの家族は、ちひろが小さな頃から新興宗教に入っている。病弱だったちひろを救いたい一心で、宇宙の力を封じ込めたらしい水を売る宗教に入って、ハマっていったのである。

物語は主にちひろの中学三年の期間を描くが、ちひろはイケメン好き、中でもエドワード・ファーロングが好きで、新任のイケメン数学教師の授業では教師とファーロングを重ねて、ノートにイケメンの絵を描いている。このようにちょっと変わったところがあるが、両親が洗脳されていることは気づいている(私にはそう見えた)。しかし、家を出ていった姉、ちひろの母やちひろを宗教から離脱させようとする伯父と違い、ちひろは両親を受け止め、普通に暮らしている。ところが、ある夜、同級生たちと一緒に数学教師の車に乗せられ下校するのだが、両親が家の近くで頭に水をかける儀式をやっているところを皆で見てしまい…

原作はまだ読んでいないのだが、『こちらあみ子』と近いところがあるとすれば、風変わりな環境に生きていながら、それでもわりと(本人としては)普通に生きている主人公が、世の偏見に傷つけられてしまう、というところではないかと思う。『こちらあみ子』はクライマックスが凄惨だったが、こちらは、少なくとも映画はそれほど酷くない。原作も読まねば、と思っているところである。

舞台は地方都市のようだが、どこだか分からなかった。ちひろの母がつけている日記も映るが、細かく見なかったので年代は分からなかった。ただし、エドワード・ファーロングの名前が出てくるあたり、現在とは言い難いと思った。ファーロングといえば『ターミネーター2』で、私の世代である。ちなみに今村夏子は1980年生まれで私と同世代である。