杉本純のブログ

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「雛の宿」の冒頭

 こいつは少々、童話めいた話でもあるし、おままごとじみた物語でもある。しかし僕は現実にその童話のなかに生きたのだし、日頃の僕が大法螺吹きだということを知らない君なら、きっと信じてくれるだろうと思う。

三島由紀夫の短篇「雛の宿」の書き出しなのだが、日頃の自分が大法螺吹きだと言ってしまったら、これからする話を信じてくれなくなるのではないか。。