杉本純のブログ

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人生は一回きり?

「人生は一回きりなんだから」は、積極的に人生をエンジョイしている人などがたまに口にしている。そのシチュエーションを見るに、どうも当人の周囲には我慢とか勤勉を美徳に感じている人がいて、だから当人はちょっと浮いた存在なのだが、自身の考えと行動に正当性を付与したいためにそう言い張っているようだ。

周囲が自分の生き方に賛同しない人ばかりならそう言い張るのも仕方ない気がするが、やりたいからやるんだとはっきり言う方が気持ちいいじゃないか、と思う。

じゃあ人生が一回でなければ自分を殺して我慢する人生を選ぶのかというと、そんなことするはずがないだろう。もし輪廻転生が科学的に証明されたら、次の人生で好きなことをするから…と現世でのやりたいことは諦めるのか。そんなことあるはずがない。だから、その人が好きなことを好きなようにやるのは、そうしたいからするのであって、「人生が一回だから」ではない。

「人生は一回きりなんだから」というのは、なかなか踏み出せない人が自分の心理的な阻害要因を打破するための掛け声として使うのは良いと思う。けれども、周囲に対する自己正当化の弁としてはいただけない。やりたいからやる、何が悪い、でいいんじゃないか。