杉本純のブログ

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佐伯一麦と貞山堀

佐伯一麦『麦の日記帖』(プレスアート、2018年)は佐伯による日記形式の随筆だが、2012年に「貞山堀を歩く」という章がある。

「貞山堀」といえば、現在「新潮」に(不定期?)連載中の連作『ミチノオク』の第二回のサブタイトルにもなっているので、興味深い。

「貞山堀を歩く」は都合7日分の日記をまとめたもので、『仙台学』編集長の千葉由香氏の運転で貞山堀を取材した経緯が記されている。

『ミチノオク』の「貞山堀」との直接的な関連性はないようだが、阿武隈川河口のヨシ原で釣舟を修理している人に出会い、震災と原発事故の災禍を目の当たりにする辺り、『ミチノオク』のテーマに通じるものがあると感じた。