杉本純のブログ

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お金のはなし4 「入るを量りて出ずるを制す」

お金に関する勉強をする過程でこの言葉に出会い、基本中の基本だ、と思った。

言葉の意味は、収入を計算し、それに見合った支出を心掛ける、ということで、財政の心構えを説いた言葉。五経の一つ「礼記」に出てくる言葉らしい。

基本中の基本だと思ったのは、単に売上売上!と躍起になって活動して収入ばかり増やしても、支出を抑えないことには利益は出るはずがない、というのがごく当たり前のことだからだ。

私は国の財政はもちろん、会社の財政についてもぜんぜんわからないし詳しくもないが、キャッシュフローが破綻せずちゃんと成立している状態が大事なんじゃないかということは、自分の家の家計を見ていれば察しがつく。過去に関わったことがある会社は、経営者がかなりのロマンチストで、キャッシュフローなんて気にしてられるか、といった姿勢で新規事業にお金を注ぎまくり、ついに破産してしまったが、ツブれるべくしてツブれたのだと言うしかない。

その会社の関係者たちのことは気の毒に思うが、ロマンというのは人生に彩りを添える一方、恐ろしい側面も持っていて、ひいては人間というのは恐ろしく、感情のおもむくままにお金を使っているととんでもない事態を招くことがある。