杉本純のブログ

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創作雑記18 構想

最近、長篇小説の構想を練っているのだが、いやぁとにかく構想を練るのは楽しい楽しい。昔は、構想を練っていると早く書き始めたくてイライラしていた。しかし今は小説の世界を構成する要素を作るのが、あたかも年表と地図の空白を埋めていくような感覚で、わくわくするのだ。

書き方はまったく無手勝流で、小説に関する思いついたことをどんどん書いていく。人物相関図を作る時もあれば、登場人物の所属する組織の組織図や年表などを作ることもある。主題がどのように展開するかの流れを書くこともあれば、組織などよりもっと広い背景世界について書くこともある。

主題展開の流れはストーリーの根幹となるが、長篇の場合には主題は一つでなくてもいいのではないか、と最近考えている。その場合、いくつかの小主題を拵えて、それらを包み込むような大主題を設けることになるんだろう。なんだか、小説が交響曲か何かに思えてくる。

相関図とか年表とか背景世界は、ストーリーがうまく流れ、主題がなめらかに展開するための道路整備のようなものだろうか。これはちゃんと出来ていればいるほど、作品にリアリティを与えると考えている。その点、私小説の場合はそれらがあらかじめほぼ完全に出来上がっていることになる。そういうこともあって、私小説は強いリアリティを持つのだろう。