杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

まず自分

会社勤めを続けてきた中で、数え切れないほどの同僚が会社を去っていった。

会社を辞める人の言い分は、大半はネガティブなものだ。「この会社にいても自分の将来像を描けないと思ったから」とか、「この会社には尊敬できる人がいなかったから」などと、まぁだいたい「この気に食わない状況を脱出したい」というのが多いと感じる。

よほど待遇の酷いブラック企業にでもいれば、その言い分は妥当だと思う。しかし、会社を辞めるのを決断するにいたったネガティブ要因は、どんな会社に移ってもたいていつきまとってくるものだ。下手をするとその新しい会社をまた同じ理由で辞めることになり、それを続ける内に三十歳になり、気がつけば四十歳に突入していた、なんてことになるのではないか。

将来像を描けないから辞めるんじゃなくて、まずとにかく自力で自分の将来像を描いて、そこに進む過程で会社を辞めなくてはならなくなったら辞めればいい。尊敬できる人に付いていきたいとまで思ったなら、まず「この人に付いていこう」という人を見つけて、付いていく過程で会社を辞めるしかないなら辞めればいい。とはいえまぁ、他人に心酔して付いていったってろくなことはないと思うが…。

まず自分である。自分が生きる目的や生き方や目指すところを決め、そこに自分の力で進んでいかなくてはならないと思う。もちろん、べつに独立しなきゃいけないわけではないので、それならそれで、勤め人としての人生航路を定め、目指す終着点に向かって進んでいけばいいだろう。