杉本純のブログ

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瀬戸内寂聴と和田芳恵2

昨日のブログは、瀬戸内寂聴和田芳恵が対談し、和田が瀬戸内に対し「男に関して間違っていることがある」と言った、というエピソードを書いた。

この対談は何だろう、と思って調べてみたら、瀬戸内と和田は「海」1975年12月号で「老年のエロス」というテーマで対談していたことが分かった。その対談の思い出は、「エロスの対談」という題で『瀬戸内寂聴全集 拾九』(新潮社、2002年)に収められている。この「エロスの対談」は1978年10月に発表されたもので、最初はどこに出た文章なのか分からなかったが、調べてみたら『和田芳惠全集』の月報に寄せられた文章だったことが分かった。

ちなみに古河市の古河文学館の「和田芳惠展」の図録(1999年)に同じく「エロスの対談」という寂聴の作品が収録されているが、恐らく月報に寄せられたものの再掲だろう。

さて、和田が瀬戸内に言った、あなたは男に関して間違っている、という言葉は、恐らく「海」1975年12月号を読まなくては確認できないだろう。私は「エロスの対談」にそのエピソードが載っていないかどうか期待したが、載っていなかった。瀬戸内と和田の対談、大したことはなさそうなのだがどうも気になる。もっと調べてみたい。

「エロスの対談」によると、瀬戸内が和田に最後に会ったのは1975年で、その対談が「海」に載ったようだ。対談の時、和田は肺気腫を患っていて呼吸が苦しかったそうだ。和田は瀬戸内と話した二年後の1977年に死んだ。